■海は、山と川が重要?!
講師は、高知大学教育学部の伊谷行教授。
山・川・海のつながりについてのスペシャリストです。
伊谷教授は、山から染み出したミネラルが植物プランクトンを発生させ、
それを食べる動物性プランクトンや水生昆虫、そして大きな生き物と、
山・川・海のつながりによって成り立つ食物連鎖が重要だと語りました。
子どもたちは、河口に近づくにつれて上がっていく塩分濃度や、
海水の中にいる小さな生き物を観察することで、
いかに自分たちの身近な場所に生命の営みがあるのかを実感しました。
■上町池澤本店の海の幸弁当!
午前中、じっくりと観察した子どもたちに配られたのは海の幸をたっぷりに使ったお弁当です!
「イトヨリは高知沖で獲れた白身魚で、刺身も焼いてもおいしい」
上町池澤本店の池澤さんが話すお魚のエピソードに子どもたちは興味津々!
豊かな高知の海だからこそ食べられるお弁当なんですね。
■シオマネキ、アナジャコ!河原や干潟の生物に密着!
さあ午後は、実際に生き物が棲む河原へ出発です!
一見、何もいないように見えますがよく地面を見るとたくさんの穴が開いています。
静かに、しゃべらず待っていると…、なんと穴から次々とシオマネキが出てきました!
手で持ち上げるだけで罰金を取られるという貴重なシオマネキは、
泥を食べたり、巣穴を掘ったりすることで、土を撹拌する役割を持っています。
「干潟って、高知にもあったがや!」
子どもたちからそんな声も聞こえました。
確かに、九州の有明海などに比べれば規模は小さいですが、
高知県の中部にはいくつかの干潟があります。
その一つ、仁淀川河口の干潟に金属製の筒「ヤビーポンプ」を差し込んで砂を吸い出すと…、
干潟の生き物アナジャコが飛び出してきました!
子どもたちは興奮気味に次々とアナジャコを捕まえていきます。
そんな子どもたちに伊谷教授が伝えたのは、
アナジャコのような生き物が干潟の砂を掘り進み、かき混ぜてくれることで
干潟の水をろ過する機能が保たれていること。
しかし、海岸の工事で干潟が減少していて、
そのろ過機能が落ちてきていることも教えてくれました。
山・川・海のつながりと、規模は小さくても、しっかりとしたろ過機能を持つ干潟のおかげで
美しい海が保たれていることを学んだ1日目でした。